世界遺産「王立展示館とカールトン庭園」
私たちが想像するオーストラリアの世界遺産といえば、クイーンズランド州にあるグレート・バリア・リーフやノーザンテリトリーにあるウルル(エアーズロック)など、自然遺産がほとんどなのではないでしょうか。
それもそのはず、オーストラリアは、国家としての歴史が浅く、18世紀以降に始まったため、文化遺産はあまり持っていないのです。
しかし、そんなオーストラリアが誇る、有数の文化遺産の一つが、ここメルボルンにあります。それが、王立展示館とカールトン庭園です。
1880年に開催されたメルボルン万国博覧会のシンボルとして、カールトン庭園の中央に建設された王立展示館は、ビザンチン様式、ロマネスク様式、ルネサンス様式など、数種の様式を融合したオーストラリア最初のヨーロッパ風建築物と言われています。
なぜ、このような豪華絢爛な建物及び庭園を、メルボルンにつくったのでしょう?おそらく、当時のメルボルンは、1851年からのゴールドラッシュの影響で、景気が良かったのでしょう。また、『流刑者の植民地』というオーストラリアの負のイメージを打破するため、これらの建設に力が注がれたのだと考えられます。
王立展示館は、1888年のヨーロッパ人入植百年祭でも会場となり、1901年、イギリスから独立したオーストラリアは、ここを国会議事堂として使用しました。
現在、王立展示館は、イベントや展示会の会場として使用されている期間を除けば、内部の見学ができます。また、事前に予約すれば、毎日14時から実施される館内ガイドツアーにも参加できます。
一方、カールトン庭園は、24時間オープンしており、約26ヘクタールある敷地内には、王立展示館に隣接するメルボルン博物館や、巨大スクリーンをもつアイマックス・シアターなどもあり、オーストラリア人の憩いの場になっています。