セカンド・サードビザが欲しい方も、オーストラリアで農業を体験してみたい方も
オーストラリアにワーキングホリデービザで滞在している方々であれば、一度は「ファームジョブを行ってセカンドビザをゲットする」事を考えてみた事があるのではないでしょうか?
オーストラリアという国は本当に居心地が良くて、1年間のワーホリビザじゃ足りないですよね!
せっかくなので、ここはひとつオーストラリアでのファームジョブというものを体験しビザを延長して、もう少し長くオーストラリアを楽しむというのも大いにアリだと思います。
ファームはとってもキツかったですが、それ以上にとっっても楽しいものでした!!
またビザ延長のためでなく、ただ単にオーストラリアでの仕事として体験してみたいという方にもおすすめのファームジョブ。
トラトラ・ファームセミナーでは、すでにファームに行く事を決断しているという方・ファームにちょっとだけ興味があるけど迷っているといった方々への情報提供として、実際にファームを経験したスタッフがファームジョブの探し方やポイントなどをご案内しています。
皆さんの不安が解消されたり、情報がお役に立てば嬉しいです!
セカンドワーキングホリデー取得の条件
1年目のワーキングホリデー時に、指定された地域で指定された仕事に3ヶ月間(88日)従事し、その証明書等の必要な書類を持っている事が必須条件です。
※条件は年ごとに見直され改定される事が多いので、政府のウェブサイトで事前に確認しましょう。
指定された地域
オーストラリア首都特別地域(キャンベラ)を除く全ての州に対象地域はありますが、シドニーシティやブリスベンシティなどの都市部にはファームはないので、離れた田舎に行く必要があります。
タスマニア・SA(南オーストラリア)・NT(ノーザンテリトリー)は、地域自体が人手不足なためその州全域が対象になります。
その他の州に関しては対象地域が郵便番号で指定されていますので、政府のウェブサイトで確認しましょう。
指定された仕事
- 農業、畜産業 (plant and animal cultivation) 果樹園での野菜、フルーツのピッキングなど
- 漁業、真珠養殖 (fishing and pearling) 漁業や真珠貝に関連する仕事
- 植林、伐採(tree farming and felling) 伐採、植樹、樹木の搬送などに従事する仕事
- 鉱業(mining) 石炭、油田、ガス、鉱物などの鉱業に従事する仕事
- 建設業(construction) 建物の建造などに従事する仕事
必要な書類
- Form 1263(働いた証明書。ファームのオーナーにサインしてもらいます。)
- Payslip(給与明細)
- 口座の残高証明($5,000以上)
サードワーキングホリデー取得の条件
2年目のセカンドワーキングホリデー時に、6ヶ月間・指定の地域で指定の仕事に従事すると、サードワーキングホリデービザを申請する事ができ、更に1年間オーストラリアに滞在できます。
ファームジョブが思ったより楽しくて全然アリだったという方も多くいます。そんな方には嬉しい条件ですね!サードも挑戦するしかないでしょう。
※条件は年ごとに見直され改定される事が多いので、政府のウェブサイトで事前に確認しましょう。
ファームジョブの探し方
探し方① Jobactive (Harvest trail) で探す
オーストラリア政府が仕事情報を提供しているウェブサイト「Jobactive」の中にある「Harvest Jobsに関するページ」では、ファームジョブの求人情報の他に、「地域ごと・季節ごとの収穫物の情報や地図」などが載っています。
求人情報に関しても政府が運営しているサイトなので安心度が高く、どの作物が、どの時期に、どの地域で取れるかを調べる事ができるので便利です。
「Towns and Crops Map」では、オーストラリアの地図から地域を特定し、その地域では何月頃どのような作物が取れるのかを見る事ができます。
「National Harvest Guide」では、各州ごとに各町の収穫物のシーズンが表で説明されているので、事前にこれを見て確認しておけば「うっかり収穫時期を外して現地に来てしまった!」などという事態も防げます。
National Harvest Guide
上記の表を見ると、「Atherton」という町では「アボカド」が「3・4・5月」にベストシーズンであるという事がわかります。
探し方② クラシファイドのサイトやFacebookを使う
日豪プレス・Cheers・Jams.TVなどの日本語サイトにファームの求人情報が出ています。
その求人を出しているファームが滞在先(有料シェアハウス)も備えている、というような広告も多く、「ファーム探しにあまり時間をかけたくない・とりあえず働いてみたい」いう方や「英語が苦手なのでひとまず日本語でやりとりしたい」という方は、日本語サイトの求人広告に問い合わせてみるとよいでしょう。
また、Facebookの「ファームコミュニティページ」も使えます。
日本語・英語共にファームの情報を共有できるページがたくさんありますので、その中から情報収集を始めてみるというのも良いですね。
また行きたいエリアがすでに決まっている方は、その地域のFacebookグループに加入しましょう!
グループ検索を利用して《地名+backpackers》《地名+farm》などと入力すると、その地域でしか出回らない現地の情報もGETできます。仕事以外にも[シェアハウス情報][車の個人売買][BUY&SELL]などの情報がある場合も。
探し方③ 大手ファームに自らアプライする
オーストラリアで有名な「Costa(コスタ)」や「Rugby Farm(ラグビーファーム)」「Qualipac(クオリパック)」のウェブサイトには常にファームの求人が出ています。
そのファームによりますが、直接電話かメールで問い合わせる・まずは登録する・直接レジュメを持っていく、といった方法でアプライします。
探し方④ ファームが盛んな地域に出向いて仕事を探す
上記のHarvest trailなどをチェックして行きたいエリアを決めたら、まずは現地に出向いてみます。
車を持っている方なら、そのエリアのファームに直接交渉して回り仕事を得るのもアリです。
ファームが盛んな町にあるバックパッカーズは、仕事を斡旋してくれるワーキングホステル(そこに泊まったら仕事を紹介してくれる)になっている事が多く、宿泊施設からファームまでの送迎を行ってくれる所もあります。
ただ、人気エリアのハイシーズンは宿泊施設が満室になっている可能性もあります。多くのワーカーが集まりそうなエリアに行く場合は、事前にバックパッカーズを予約したほうが安全です。
ファームの1日の流れ(例)
04:00 起床、準備
06:00 仕事開始
09:00 小休憩
12:00 お昼休み
15:00 仕事おしまい
16:00 帰宅、 シャワー、夕飯&翌日のお弁当作り
21:00 就寝
午後の早い時間に仕事が終わる事が多いため、夕方はゆっくりくつろげます。また、慣れると早寝早起きの生活リズムが心地よくなってきます。
ファームに必要なもの
クーラーボックス
水2リットルくらい
帽子、日焼け止め、上着、タオル、手袋
汚れてもいい服
お昼、お菓子(重要!!)
場所によっては夏でも朝は冷えます。
作物によっては長靴なども必要。。。
※基本的にファームで必要なものは現地購入可能です!
ファームのポイント
「悪徳ファーム」に注意
まれに「仕事をくれない、指定地域以外で勤務させる」というような悪徳ファームもあるのでご注意ください。
仕事がある、もしくは紹介してもらえるという事で宿泊施設に入ったのに、「作物の実りが思ったより悪いから、やっぱり仕事開始は来週からになります」と言われ一週間待ったが「やっぱりもう少し時間がかかりそう、仕事は更に一週間後から始まります」などと延期を重ねられ、結局時間と家賃を無駄にしてしまったというケースも。
他に労働時間が長すぎる、低賃金すぎるというような悪徳ファームもあります。
「ここに長居はしないほうがよさそう」と感じたら、即他のファームに移動するのがファームを失敗させないコツです!
自然災害に予定を狂わせられる事も
相手は自然の植物なので、災害や天候・作物の病気に左右される事もあります。
「稼げると人気のファームに来たのに、その年に限って作物が病気になってしまい収穫量が少なく、期待したほど稼げなかった」ですとか「ファームで順調に稼いでいたのに、突然洪水に見舞われ(ファームで人気のクイーンズランド州は洪水被害が起きやすい)ファームもバックパッカーズもいきなり閉鎖されてしまった」というような状況にあった方も。
こればかりは運ですが、悲惨な状況になったとしても気持ちを切り替えて即違うファームに移動しましょう。
また、災害とは違いますが「アレルギー症状」が出てファームを中断せざるを得ないケースもあります。
マンゴーやアボカドなどはアレルギーが出やすいと聞きますので、肌が弱い方は避けたほうがいいかもしれません。
キツイ仕事・ラクな仕事
白菜(重い!女性はピッキングの仕事できません。男性のみ)はかなりキツイようです。
また、スイカなどの大きくて重い作物やバナナもハードだと聞きますね。ただそういったハードな作物はやはり給料が良いので、体力に自信がある人はチャレンジされている方が多いです。ブロッコリーも稼げたけどキツかったという意見も。
逆にブルーベリーや豆類といった作物は比較的ラクだそう。
私個人としては、常に中腰姿勢にならなければならないズッキーニが過酷でした。腰痛持ちの方は避けましょう。
悪評高い(?)ズッキーニですが、小柄な女の子でも素早い動作でたくさん収穫している方がけっこういましたので個人差があると思います。得意な方は稼げるようですね。また、個人的にズッキーニは刈り取る瞬間が気持ちいい野菜No.1でもあります。
ファームで稼ぐには
ファームで稼ぐコツは「的確な作物の時期を狙う事」です。そして「評判のいい優良ファームの情報を得る事」、あとはやっぱり「根気と精神力」が勝負になります。
作物が豊富に収穫されるベストシーズンを狙ってファームに行くことは最重要です。
そして「あのファームはいいよ!」とか「あのエリアのあの野菜がいいよ!」といった現地で知り合うワーカーや経験者のリアルタイムな情報が一番役に立ちますので、ファームやバックパッカーズでは積極的に人脈やコネを作りましょう。
そして、私は「めちゃくちゃピッキングが早くて上手な小柄で華奢な日本人の女の子」を見たことがあります。もちろん長時間体を動かす持久力は必要ですが、そこまで体力・筋肉が重要というわけでもなさそうです。要領よくコツを掴めるかどうかにもかかってきそうですね。また、「あの人よりもたくさん収穫する!」といったふうにライバルを作ったり、「今日は絶対◯バケツ分収穫する!」とその日の目標を決めて、根気と精神力を保つ方法もおすすめです。
まとめると、ベストシーズンに優良ファームで、災害などの不運に遭わずに気合を入れて頑張って作業すれば、稼げます!
友達がファームで働いている・もしくは経験者
ファーム関連で働いている・働いていたという知人・友人が居る方は、ぜひその人達に情報を教えてもらいましょう!
その際の確認ポイントとして、
☑その地域のシーズン(旬の時期)と自分が働きたい時期がちゃんと重なっているか
☑車がなくても働けるか(ファームの会社が車送迎をしてくれるかどうか)
☑アコモデーション(宿泊)はどのような形態か(バッパーに住まないと仕事をもらえないのか)
上記の項目は必ず聞いておきましょう。
シェアハウスが充実しているのでバッパーに住まなくても大丈夫というファーム・またはキャラバンパークしかないというファームもあったります。
行きたい場所がない・どこでもいいという人は
特に行きたいエリアはない、ファームの数が多すぎてもうどこでもいい、というような方は「いつまでにシドニーを出発する」という所から始めましょう。出発する時期を決めてしまえば、その時期に収穫量が多い作物を扱っているファームに行けばよいのです。
例えば「5月にファームを始めたい」として、National Harvest Guideで見てみると5月がシーズンなのはAyrでベジタブルズとメロン、Bowenではトマト、Bundabergではマカダミアとトマトとベジタブルズ、とわかるのでそのどれかのエリアに行ってみようかな、と的を絞れます。
ひとつ注意点として、相手は自然の作物なので収穫時期が表と一致しない年もあるかもしれません。ファームで今働いている、もしくは最近働いていたという方からリアルタイムな情報がもらえたらベストですね。
日本じゃ体験できないファームジョブ、仲間もできたりなんだかんだ楽しい
ファーム生活は日本ではなかなかできない経験ですので、いい経験になるかと思います。
作業をしている最中はもちろんキツいししんどいですが、仕事後に飲むコーラは極上の味でしたし(私はコーラが苦手なのにも関わらず)、日本じゃお目にかかれない広大すぎる畑・大自然の中にいるという非現実的感、ファーム生活を終えたときの素晴らしい達成感は忘れる事ができません。
何よりも、ファームやバックパッカーズで共に戦った仲間たちとの日々はかけがえのない思い出になりました。
ファームのある地域は何もない田舎なのであまり娯楽がないのですが、バックパッカーズでは皆としょっちゅうパーティを楽しみファームの疲れを吹き飛ばしていました。いやー本当にファーム、楽しかったです。
みなさんもこの記事のポイントを元に、ぜひぜひ楽しいファーム生活を送ってくださいね!